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惜別 薬王寺共同霊園火葬場
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 14:58 No.5218

奈良盆地の中央部,田原本町のとある池の畔に,こじんまりとした,それでいて存在感のある火葬場があった。
その名を薬王寺共同霊園火葬場という。
手元の資料によると,薬王寺・三笠・十六面の墓郷が運営している火葬場とある。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 14:58 No.5219

表向きは木造の古めかしい姿をした施設であるが,火葬棟内部は比較的新しいのか高い煙突はなく,排気口も表からは見えない造りになっている。
再燃焼設備が付いているのかは不明である。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 14:58 No.5220

火葬場の手前,墓地の入口付近に六地蔵が祭られている。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 14:59 No.5221

その脇に注意書きがあり,「お墓,火葬場は仏様・御先祖様の眠るところ,いつも明るくきれいに致しましょう。」と記載されている。
墓地及び火葬場はずっと大切にされていることが伝わってくる。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 14:59 No.5222

火葬場入口に扉はないので,早速内部を覗いてみる。
手前部分は告別棟となっており,他の火葬場ではなかなか見られない壁一面の天女を始めとする絵画に加え,天井一面にも花が描かれている。
照明も格調高いものが誂えられている。
金色に彩られたこの場所に立つと,まさに極楽浄土にいるような気分である。
奥にはお地蔵さんと蓮台が備えられている。
火葬がある日ではなかったが,花が供えられていた。地域の信仰も篤いのだろう。
告別棟右奥に火葬炉前に向かう扉があるが鍵がかかっている。
火葬炉は,建物の規模的に1基であろうか。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 14:59 No.5223

建物内部右手の絵である。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:00 No.5224

建物内部右手手前の絵である。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:00 No.5225

建物内部左手の写真である。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:01 No.5226

ここで外に出て建物を一周してみる。
まず正面側である。寺院風建築のいかにも古き良き日本の火葬場といった趣である。
関西や中部,中国四国地方でも地域管理の火葬場が密集しているところはあるが,大抵は簡易な施設であり,このように立派な建物を持つものはそんなに多くない。
私も初めて来たときから心を奪われた火葬場である。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:01 No.5227
- 右側側面である。作業室入口への扉が見える。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:02 No.5228

上の写真の画像です
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:03 No.5229

左側側面である。きっちりと電源が引き込まれている。現役の火葬場の証である。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:03 No.5230

電力メーターが2つついている。照明用と火葬炉用であろうか。1999年と刻まれているのでそのあたりに建設されたのか。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:03 No.5231

火葬棟裏側に回る。中央上部に小さい排気塔が出ている。この形は珍しく他では見たことがない。
火災防止のためか,屋根に直接排気が当たらないように上部に覆いが設置してある。
また,左側上方には,燃料タンクからの通気口らしきものが見えている。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:04 No.5232

初めて訪問した10数年前から何度も訪問しているが,いつ来ても変わらない姿でずっと佇んでいた。
私もこのまま変わらず時が流れていくのだろうと思っていたのだが…
しかし!
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:04 No.5233
- 2019年1月11日に火葬中に火災が発生してしまったのである。
簡単に言うと,火葬開始直後に火災報知器が鳴り,火葬に立ち会っていた葬儀社の社員が通報したが建物の一部が延焼したという。
地元ではヘリからの空撮映像とともにテレビ放送された。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:05 No.5234

火災後,5日で駆けつけたが,既に火葬棟の屋根はブルーシートで被われていた。
ぱっと見た感じでは,火災に遭った部分の壁面の色が変わっているくらいで,どこかが崩壊しているようなことはなかった。
ニュース映像では火葬棟の屋根が一部焼け落ちたように見えたので,建物側面よりは内部や屋根にダメージがあったようだ。
手前側の告別棟は見たところ無事のようである。
建物右側面上部の燃料タンクがあったと思しきところが色が変わっている。この付近が燃えたようだ。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:05 No.5235

中を覗いてみると天女等の絵画や照明については特に損傷は受けていないようだ。
中を見回すと建物の隅に焼け焦げたものが積み上げられている。
火災から数日経過しているが,まだ燻ぶったにおいが辺りに立ち込めていた
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:05 No.5236

建物側面に回ってみる。建物表面の色が変わっている部分の内側が燃えたのだろう。
火葬炉よりは高い位置なので,燃料タンク系の異常だったのだろうか。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:06 No.5237

裏側の排気口は特に変化がなかったが,脇ではブルーシートのロープが厳重に張られている。
この火葬場は一体どうなってしまうのか。
建物を保護しようとしているところを見ると復活させる可能性はあるのだろうか
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:06 No.5238

気になりつつ,半年後に再訪してみた。
外観は特に変化はなく,休業中のままである。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:06 No.5239

告別棟内部に仮置きしてあった焼け焦げたものはまだ残っていた。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:07 No.5240

裏側も特に変化はないようだ。
火災からかなり日が経過したが依然と同じ状態である。
修繕はしないのだろうか。
このままの状態が続いている。
もうだめか…絶望が私の頭をよぎる。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:07 No.5241

ところが,令和4年某日に立ち寄ったところ,このように火葬棟部分が修繕されていた。
火葬棟の屋根がまるまる造り直され前から後ろ側への片勾配に変更されている。
これは!
奇跡の復活か!?
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:08 No.5242

早速,中を覗いてみる。天女等の絵やお地蔵さん,蓮台等は変化がない。
火葬炉前に続く扉が木製のものになっているが枠にはめられて動きそうにない。扉としては使えないようだ。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:08 No.5243

周囲を巡ってみる。
改築した部分の色が変わっている。
建物上部を取り換えたように見える。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:08 No.5244

火葬棟裏側にやってきた。
以前あった排気口が無くなっている。
合わせて燃料タンクからの通気口も無くなっている。
電気は通じているものの何か嫌な予感がする。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:09 No.5245

建物側面を一通り確認したが,排気口らしきものはなかった。
唯一の開口部はこのルーバーであるが,これは以前からあったもので焦げ目等もないので排気口ではないだろう。
その時は火葬棟の屋根に排気口が隠れているのだろう,と思っていたのだが…
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:09 No.5246

ここで唐突に屋根に排気口が隠れている火葬場のイメージ画像
与謝野町立阿蘇霊照苑
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:10 No.5247

屋根に勾配がついているので下がって見てみたが,排気口らしき突起物はない。
もう少し下がって屋根を見ると,つるっとしていて排気口が見当たらなかった。
…ということは,火葬棟の建物は修繕したが,内部の火葬機能関連は復活させなかった可能性が非常に高い。
特に建物に表示等は出ていないが,火葬炉のあった部分は倉庫等に使用するのだろうか。
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名前:こむすび
:2022/02/20 (日) 15:10 No.5248

電気メーターも左側の内部が空になっていた。
恐らく火葬に使用していたメーターであろう。
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名前:こむすび(最終)
:2022/02/20 (日) 15:11 No.5249

建物に定礎がないので,いつ建設されたかは不明であるが,残念ながら,長年地域を見守ってきた火葬場が1つ消えてしまった。
資金調達の困難さはもちろん,住宅地に隣接しているので再稼働するのも難しかったのかもしれない。
私の屈指のお気に入りであった火葬場は役目を終えてしまったが,その痕跡をこうして少しでも残しておければと思いレポートした次第である。