高岡市の火葬場

高岡斎場・高岡火葬場・戸出火葬場・伏木火葬場

高岡市の火葬場

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高岡斎場

  高岡市の火葬場

2009年4月1日に供用開始された高岡斎場です。
高岡市のご理解ご協力により見学させて頂く事が出来ました。



  高岡市の火葬場  高岡市の火葬場

田園の中、庄川沿いにある斎場です。
斎場へのアクセスは、川沿いに新設された道から入ります。
斎場の周りには、3m位の高さの築山で囲まれています。
築山といっても低いので外部から建物は見えますが、和風で落ち着いた色合いの建物と相まって、風景に溶け込んでいるように見えます。
屋根も良く見ると緩やかなカーブを描いていて柔らかな印象です。
大きな建物ながら威圧感は少ないですね。



  高岡市の火葬場  高岡市の火葬場

規模の割には敷地は広いと思います。
場内の道には散水融雪設備がありました。
でも、富山は雪が多いというイメージを持って行ったのですが、雪は全くありませんでした。



  高岡市の火葬場  高岡市の火葬場

車寄せは雪の季節の為か、大きな屋根で覆われています。
式場棟、火葬棟、待合棟、それぞれに出入り口が円を描くようにあります。



  高岡市の火葬場

内部の写真は撮っていません。
パンフレットを見ながら読まれると分り易いと思います。
3ページ目は内部の画像、4ページ目も内部画像と配置図が載っています。

パンフレット1ページ目
パンフレット2ページ目
パンフレット3ページ目
パンフレット4ページ目

式場棟。
80人用の式場が2室、間仕切りを取れば1室として使えます。
80人用といっても、余裕があるので100人用と言っても良い広さです。
遺族控室は、配置図では大雑把に描かれていますが、大小和室や浴室もあり宿泊も可能です。

火葬棟。
告別室が4室あります。
炉数に比べて多いような気もしますが、なぜ4室なのか聞くの忘れました(苦笑)
着棺してから柩を炉に納めるのに使う棺台車が特徴的でした。
操作部分に液晶モニタが付いていて、お名前と炉番号が表示されます。
万一間違って予定していた炉と違う炉に納めた場合、断熱扉が開かない仕様になっているそうです。
また、火葬台車上に番号札を置いて焼く等、遺骨の取り違いには細心の注意を払っています。
旧火葬場で遺骨の取り違いトラブルがあったため、特に注意しているのでしょう。
火葬炉の化粧扉は、鋳物で有名な街らしく鋳物製で重厚なものです。

待合棟。
待合室は1階と2階に配置されています。
ここで特徴的なのは、各階に配膳室があり、特に1階の配膳室は広く食器洗浄機までありました。
ここまで立派な配膳室は見た事がありません。
仕出屋さんは喜びそうです。
広くて天井の高い待合ホールは、天井から床までの大きなガラスが2面。
すごく広々して明るいです。
喫茶や売店は地区の運営だそうです。
でも、待合室を利用する葬家だと、待合ホールで待つ事って無いですよね。

全体の印象は、広くて豪華で質感の高い斎場という印象です。
ただ、過剰過ぎるかなという気もしないでもないです。
今までが古過ぎたので、このくらい豪華でも良いのかも知れませんね。

ここは長年反対運動があり、供用開始日にもトラブルがありました。
関係者の皆様におかれましては、冷静を保ち円満に解決する事を切に願います。




旧・高岡火葬場

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以下は、高岡斎場の供用開始により廃止になった火葬場です。
高岡火葬場は、市の中心部にある高岡市のメインの火葬場でした。
昭和24年築という歴史のあるものです。
年間火葬件数は、平成16年度実績で1375件。
風変わりな建物ですが、上質な木造建築です。
ただ、地盤が悪いせいで、建物全体に歪みが出ていました。

2枚目の写真、右側に入口があり、入ると告別室があります。
写真中央左の通用口の左側が事務室、右方向に廊下があり告別室へと繋がります。
通用口を入り廊下を挟んだ奥が炉室となり、左右に4基の炉が並んでいます。
煉瓦製の炉体で、シルバーに塗装され鉄骨で炉体を補強していました。
おそらく建築当初からのものではないかと思います。
当初は重油焚きだったようですが、後に灯油に変更されています。
(高岡市の他の火葬場も灯油に変更されています)



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建物のすぐ脇には、近年新設された排煙設備があります。
上部煙道で繋がっており、再燃焼炉とバグフィルターが設置されています。



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よく見れば、著しく老朽化している事が分かります。
塔の四方はトタンで覆われていますが、以前は塔の周りに回廊があり登れたそうです。



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火葬棟の裏に鬼瓦がポツンと置かれていました。
屋根を軽くする為、小さい鬼瓦に変えたとの事です。
全て交換したと聞いたのですが、1個だけ裏側の屋根に載っかっていました。



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告別室です。
古い火葬場で独立した告別室があるのは珍しいですが、質の高い木造寺院風の火葬場では、時々あったようです。
ここも、祭壇など若干傾いていました。



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天井を見るとシャンデリアが下がっています。
銅製の凝ったデザインのもので、建築当時は珍しいかった事でしょう。
天井には雨漏りの跡も結構あります。

著しく老朽化していたとはいえ、元々は質の高い木造建築だった事だと思います。
原型を保った質の高い木造寺院風火葬場としては、千葉市、岡谷市と並んで最後の火葬場となります。

ひっそりと、一つの時代が終わりました。



旧・伏木火葬場

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伏木火葬場は、静かな住宅地の中にヒッソリ佇んでいました。
思わず通り過ぎるところでした(苦笑)
昭和17年に建てられました。
旧・伏木町が高岡市に編入されたのも昭和17年ですので、編入前後に建てられたのでしょう。



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雪が入らないようにでしょうけど、変わった形の煙突です。
浅香先生が平成9年に撮影なさった写真を拝見すると、建物外壁は古い木材で煙突は煉瓦製です。
建物の形は同じように見えますので、内外装に手を入れたのだと思いますが、いつ改装されたのかは分りませんでした。



  高岡市の火葬場

数は2基で、年間火葬件数は98件。
炉自体は古いままです。

ここも再燃焼炉が追加されています。
再燃焼効率が良いのか、煙は全く出ないそうです。
そういえば、煙突にも煤は付いていませんね。

炉数2基となっていますが、壊れて使われていない炉が何基かあります。
炉が扇形に配置されているのが特徴的です。




旧・戸出火葬場

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戸出火葬場は、新斎場に程近い場所にありました。
昭和38年、旧・戸出町の火葬場として建てられ、同41年に高岡市へ編入の後は、高岡市が運営を引き継ぎました。



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古い薪炭併用炉2基で、年間火葬件数は191件。
煙は、地下煙道を通り後付けの再燃焼炉を経て煙突から排出されます。



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古い霊灰塔やお地蔵様もいらっしゃいました。
六地蔵だけではなく色々なお地蔵様が居ます。
周辺の墓地などにあったものを集めたのかも知れませんね。

それぞれ歴史のある火葬場です。
高岡市役所の皆様方のお陰もあり、良いものを拝見する事が出来ました。




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