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2008年5月1日から供用開始になった枚方市立やすらぎの杜です。
この一帯は大学の跡地で、現在は図書館など公共施設があります。
火葬場の横のビルは、元々は大学の建物だったものを市の公共施設として使っています。

ビルの手前が火葬場です。
写真に見えているのは2階の待合室と火葬棟の機械室部分で、炉前などのある1階は半分地下のような感じです。
周りは公園も整備されていて、なかなか良い環境です。

ぐるりと周って火葬場の正面に来ました。

火葬のみの施設とあって、シンプルな車寄せです。
駐車場も他の公共施設と共用出来るような形です。
関西では火葬場まで訪れる会葬者は比較的少なく、それほど広い駐車場は必要としないのかも知れません。

内部の配置はこちらをご覧下さい。

入り口を入って進むと告別ホールがあります。
ここは半分地下ですが、外光が入るような構造なせいか半地下という感じはしません。

告別室です。

炉前ホールです。
8基の火葬炉が並んでいます。
この火葬場、築炉は宮本工業所、火葬業務は太陽築炉と、異なる炉メーカーが入っていて、両社の社員さんが説明をなさっていました。
ライバル社同士、と思ったら、和気あいあいとした雰囲気です(笑)

炉前も外光を採り入れて明るい雰囲気です。
天井の他、光庭からも明かりが入ります。

待合エリアのある2階へ上がってみます。

軽食コーナーとなっていますが、喫茶という感じですかね。
窓の外には旧火葬場が見えました。

広い待合ロビーと、その奥には喫煙テラス。
個室の待合室は有料ですので、待合室を使わない方もいらっしゃると思います。
それで広めにしているのでしょう。

待合室は、和室3室に洋室が1室。
炉数に比べ室数が少なく広さも少し狭いような感じですが、先の述べたように会葬者数が少ないので、これ位で丁度良いのでしょう。

収骨ホールと収骨室です。
枚方市立 やすらぎの杜
過度な豪華さのないシンプルな火葬場です。
それでいて、半地下という事を意識させない作りです。
従来の火葬場らしくない火葬場というコンセプトをよく聞きますが、これは豪華という意味ではありません。
シンプルな火葬場も良いものです。
旧火葬場(枚方市立小倉火葬場)

こちらは旧枚方市立火葬場です。
墓地の中にある古い火葬場です。
昭和25年に開業され、やすらぎの杜が開業するまで使われてきました。
この南側一体(新火葬場方向)は、大阪陸軍造兵廠枚方製造所という砲弾を製造する広大な工場がありました。
戦後は小松製作所(現・コマツ)に払い下げられ、現在もコマツの大阪工場があります。
昭和15年、造兵廠の拡張により拡張地内にあった墓地を移転して出来たのがこの墓地です。
このページ上の一枚目のやすらぎの杜の写真を見ると、柱のようなモニュメントが写っています。
これは、当時の造兵廠の廃材を使って作られたものです。

5基の火葬炉の並んだ昔ながらのスタイルの炉前は、綺麗に改装しているせいか清潔感があります。

随分と古い火葬場ですが、かなり改修を重ねているようで、表面的にはは綺麗な状態です。

でも柱など細部を見ると、老朽化は隠せません。
ガッチリと鉄骨で補強しているので、この柱は構造上の影響は無さそうです。

古くからの地元との取り決めで、昼間の火葬は出来ません。
夜間火葬のみで、日没後に火葬を行っていました。
収骨は翌日に再度訪れるという形で、利用するには不便な火葬場だったようです。
写真では煙が出ていますが、煙が出ていたのは点火直後の短時間だけでした。
夜間火葬という現在では珍しい形態の火葬場。
昔は多かったのですが、たぶん、最後の夜間火葬の火葬場だと思います。
新火葬場では昼間の当日収骨が可能になって、著しく利便性が向上したのは大変良い事です。
でも、歴史を刻んだ火葬場が、また一つ無くなりました。
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