島の火葬場-蒸籠の神様が宿る島-

[16] 名前:こむすび :2024/06/11 (火) 21:45 No.6209
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20分後、再度、下甑葬斎場前に到着した。
接近してみると、建物外には誰もおられなかったので、門のところから撮影させていただいた。使用中であればこのあたりが限界だろう。
開放された入口扉から銀色の観音開きの化粧扉が見えた。
時間や御遺族の滞在など諸般の事情を鑑み、これ以上ここで粘ることは難しく状況も変わらないと判断して里港に戻ることにした。
御遺族の帰宅を待つとしてもそれが何時になるかはこの時点で不明であり、現在の時刻と相談しても、今すぐこちらを出発しないと船に乗り遅れる可能性が出てくる。今日中に帰宅しないと明日の勤務に穴をあけて面倒なことになるし何を言われるか分かったものではない。
「もしもし、こむすびですけれども、鹿児島の離島で火葬場を撮影していたら船に乗り遅れたので休みたいのですが。」などと正直に電話すると始末書の1枚も書かされる可能性がある。万一の際には、もう少し違う理由を用意しておかなければならない。
急いで車をUターンさせ山道を下っていると、ちょうど県道に合流する手前で○○家という札を掲げたマイクロバスとすれ違った。
空車だったので帰宅のお迎えに行くところであろう。あと少し遅ければあの狭い場内で鉢合わせて身動きが取れなくなっていたはずだ。
再訪問のタイミングとしてはかなり際どいところだったと冷や汗をかく。
また、今から火葬場に引き返し、帰宅された後に撮りなおすには残念ながらもう時間がない。せめてあと1時間、いや30分あれば。そういう微妙なタイミングであった。
やはり、遠隔地の離島では予備日が必要だったと痛感する。しかし、もはやどうしようもない。残り2回の訪問の際には必ず設定しようと誓う。
そして気を取り直し、撮影モードから日常モードへ気分を切り替えつつ、40キロの道のりを1時間ほどかけて戻っていく。
レンタカー会社に車を返却したときには、既に船の出航時間まで1時間を切っていた。