三条市 槻の森斎苑 旧・三条市斎場

三条市

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 三条市 槻の森斎苑

  槻の森斎苑  槻の森斎苑

三条市槻の森斎苑。
2009年9月1日に供用開始されました。
円形の変わった形の建物です。
まだ一部工事中で地面が見えていますが、完成すると田園風景に溶け込む事と思います。



  槻の森斎苑  槻の森斎苑

供用開始に先立ち一般公開されました。
延べ2500人ほどの人が訪れた事から、期待の大きさが伺われます。
ここがこれほど混みあう事は、後にも先にもないでしょう。

公開日程は、金土日の3日間の設定でした。
平日しか行けない方もいらっしゃいますし、土日しか行けない方もいらっしゃいます。
行政は土日は休みたがるイメージがありますが(笑)、このように多くの方が行き易い条件を整える事は、大変良い事だと思います。



  槻の森斎苑

館内の配置は、こちらをご覧下さい。



  槻の森斎苑

入口から館内に入ると、左右に事務室や多目的室があります。
こちらは多目的室。
応接や気分の悪くなった方が休めるようになっています。
窓にはカーテン等はないようですが、外から見えないよう加工されたガラスが使われています。



  槻の森斎苑  槻の森斎苑

入口からは中央ホールを経て告別室、それから炉前ホールへと進みます。
ほぼ一直線で進めるようになっています。



  槻の森斎苑

告別室が2室あります。
一般的に、火葬炉2〜3基に対して告別室が1室とされています。
ここは炉数5基ですので、教科書的に考えると2室必要という事になります。
しかし、受け入れ時間や火葬の集中頻度など考慮すると、必ずしも当てはまるとは限りません。
仮に2室必要する機会が著しく少ないとすると、1室にしその分広くして、日常的な使用の利便性を上げるという考えもあると思います。



  槻の森斎苑

柩搬送車、動力部分を隠し曲線を多用した美観を考慮したものです。
ただ、各部を接合しているボルトの頭が丸出しです。
会葬者が一番近くで目にする機器ですし目に付きやすいです。
これは補助機器ではありますが、最も美観に気を付けなければいけないと思います。



  槻の森斎苑  槻の森斎苑

炉前ホールまで来ました。
5基の火葬炉が、建物の形に沿って扇形にカーブして配置されています。
直線だけで構成された空間より柔らかく感じます。

見学者の皆さんの様子を見ていると、化粧扉の中は見られないのか?、という声が次々に聞こえてきました。
他の火葬場の内覧会では、化粧扉や断熱扉を開けていていても問題なかったですし、ここは炉前に説明員も常駐しています。
新しい火葬場と旧来の火葬場では構造が違います。
前室で焼くと誤解なさっている方も少なくないです。
化粧扉を開けて前室をお見せして、断熱扉も開けて通常の利用では見る事のない主燃焼炉もお見せして、構造を正しく理解して頂く事も重要です。
火葬炉の仕組みが解らない事が、火葬場に対する不安感や偏見の原因の一つになってるように思います。
近代的設備になっても、火葬扉の向こうは謎の世界。
謎は謎を生み、謎は悪い方に解釈されるものです。



  槻の森斎苑  槻の森斎苑  槻の森斎苑

収骨室です。
四隅を丸めたせいか、落ち着きのある空間になっています。



  槻の森斎苑  槻の森斎苑

待合のエリア。
同一構成のエリアが2つあります。
中庭に面して待合ロビーがあり、その右側に待合室があります。
この待合室は2室に区切って使う事も出来るので、全部で4室の待合室としても使えます。
しかし、特に混み合う時でもない限り、1つの待合エリアを占有出来るのではないかと思います。



  三条市斎場  槻の森斎苑

待合室内です。
椅子がメインですが、一部畳敷き部分もあります。



  槻の森斎苑

収骨も終わり帰るには、外周に沿った廊下を進んで外に出ます。
建物が丸いせいで、カーブに沿って動く部分が多く、柔らかい良い雰囲気も出していると同時に、方向感覚が分からなくなり、チョット分かり難くなる面もあるかな、とも感じます。
しかし円形という難しい形にしては、よく考えられた配置かなと思います。

一部辛口の意見も書きましたが、
三条市役所については、公開日程などの他にも、市民の視点に立った考え方出来る市役所だなとの印象を持ちました。
きっと良い火葬場になる事でしょう。



 旧・三条市斎場

  三条市斎場  三条市斎場

槻の森斎苑の完成に伴い、2009年8月31日廃止になった三条市斎場です。
昭和34年から半世紀に渡って火葬業務を行ってきました。



  三条市斎場

入口から入って左側は炉前ホール、右側には収骨室や待合室、事務室などがあります。
昔は、煙を吹く高い煙突があったそうです。



  三条市斎場

入口から入ると正面には、広いお別れ室(告別室)がありました。



  三条市斎場  三条市斎場

完成当時は、広くて凄くモダンなお別れ室だったのではないかと思います。
奥に行くに従って高くなっている天井に思い切った採光窓、現在でも十分通用するクオリティがあると思います。



  三条市斎場  三条市斎場

全体的に老朽化が進んでいるので、ボロい火葬場という印象を持たれるかも知れません。
しかし、お別れ室や炉扉周りなど、よく見れば上質なものが多く見受けられます。
建設当時は、かなり立派な火葬場だったのではないかと思います。



  三条市斎場

こちらは、市職員1名+嘱託職員2名の方で運営されていました。
庭にある花なども職員さん方が植えられたものです。
古い殺風景な火葬場でも、花があると随分違うものですね。
長い間お疲れ様でした。

三条市役所、および現地の皆様方には大変お世話になりました。



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