前橋市斎場

前橋市斎場 前橋市斎場

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  前橋市斎場

建て替えの進む前橋市斎場です。
2007年から工事が始められ、事業終了は2011年1月の予定です。
一部敷地の拡張はありますが、同一敷地内で施設も稼動させながらの工事です。
式場や待合室は2008年8月に供用開始され、火葬棟も2010年2月に完成して供用開始されました。
竣工まであと1年近くありますが、まだ旧火葬棟の取り壊しや外構などの工事があります。
写真右の大きな建物が完成した火葬棟です。
旧火葬棟のある場所は、完成時にはロータリーや車寄せになります。


  前橋市斎場

2010年2月21日に施設の一般公開がありました。
式場では、市の担当課による概要説明がありました。
式場や待合の完成時も一般公開が行われましたが、あの日は岡谷市の旧湖北火葬場の最後の日と重なり行く事が出来ませんでした。
重なる時は重なるものですね(苦笑)


  前橋市斎場

施設の配置は案内図をご覧下さい。
上写真は、この案内図の左下側から右上方向に向かって撮ったものです。
各部が色分けされて見やすい案内図ですね。施設の配置は案内図をご覧下さい。


  前橋市斎場  前橋市斎場  前橋市斎場

式場は3つあります。
2つの式場は間仕切りを外して大きな式場として使う事も出来ます。
写真の状態は間仕切りを外した状態です。


  前橋市斎場  前橋市斎場

こちらはもう1つの式場。 ここも間仕切りで仕切る事は出来ますが、同時に2つの式は行えないようです。


  前橋市斎場  前橋市斎場  前橋市斎場

各式場には、それぞれ受付ロビーや各種控室が備わっています。


  前橋市斎場

式場のエリアから待合室のエリアに進んでみます。
広めの廊下です。
各部の移動距離も比較的短い事と相まって、利用者には良いと思います。
葬儀も終わり火葬場に来る頃は、会葬者はお疲れがでしょうし年配者も多いので、必要以上に長い距離を歩かせない構造は良いと思います。
敷地が限られているせいで、結果的に効率的な配置になったという事はあるのでしょう。
効率的な配置と言っても各部の広さは十分あります。


  前橋市斎場

廊下に沿って待合室が11室で、一部は2室を1室として使えます。

この斎場の式場は150席用が2室と170席が1室、比較的大きい式場です。
昨今は葬儀の簡素化の流れもありますし、直葬とも呼ばれる葬式自体を行わないケースも増えていると聞きます。
どのような理由から直葬を行うかは存ませんけど、「葬儀を行わない」のではなく、様々な理由により「葬儀を行えない」という事も少なくはないと思いますし、これからの時代増えてくると思います。
「葬儀を行えない」は勿論の事、「葬儀を行わない」であっても「お別れ」も行わないというのとは違う筈です。
直葬に対して一部の火葬場では、告別室や炉前ホールの使用制限を緩くしたり、霊安室の面会室を無料でお別れの場として使用して頂く等、柔軟な対応をとっている所もあります。
ここの待合室は、廊下も広く火葬棟に近い待合室もありますので、友引明け以外の午前など、比較的余裕のある時に1時間程度の時間でも「お別れの場」として提供する事は物理的には可能ではないかと思います。
比較的大人数の葬儀は単価も高いので民間も喜んで行うでしょうが、単価の低い形態の葬儀については行政のフォローがあっても良いと思います。
行政が地域の葬祭事情を把握し柔軟な対応をする事が大切です。

行政が地域の葬祭事情を把握、、、でもこれ意外と難しいんですよね。
民間でも言える事ですが、かなり意識してないと大きな声しか聞こえて来ない。


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待合ロビーです。
光庭があり明るい空間です。
この日は天気が良かったせいもあり特に光が差し、全体的に明るい斎場という印象です。
光庭は火葬棟にもありますが、どちらもオブジェを配しただけのシンプルなもの。
自然の緑を取り入れた方が安らげるのかも知れませんが、そうすると専門の業者に植木の維持を頼まなくてはなりません。
植木屋さんを頼むと安くはないですし何十年にも亘って管理する事を考えると、シンプルなものも良いと思います。
この日は、見学会の前に供用開始式があり、ここで式典を行われました。
式典後すぐにソファーやテーブルを元に戻したようですが、ごく短時間うちに真っ直ぐピシッと元通り並べられています。
式場や待合室の椅子や机も綺麗に並んでいる印象を持ちました。


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待合ロビー付近には売店や喫煙室がありました。
商品は斎場ならではの骨壷、菓子類が並んでいました。
菓子類は、待合室の乾き物に使う業者向けの商品みたいな感じです
。 式場がある事もありますし、火葬場で待ってる時はお腹が減る場合もありますので、コンビににあるような個人が好みそうな商品やお腹の足しになるようなものがあって良さそうな気がします。


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火葬棟のエントランスホール。
動線が交差しないように、柱の左右で行きと帰りを別けるそうですが、、、計画倒れになる予感。


  前橋市斎場

いわゆる炉前ホールという空間は無く、告別室と収骨室に別けられていて独特の配置です。
告別室は、最近よく目にするようになった、炉前ホールを2炉1室に仕切ったタイプです。
収骨室は、告別室に挟まれたような形であります。
説明するより、先の案内図をご覧になる方が分かりやすいと思います。


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炉扉は、壁面扉と化粧扉のあるタイプ。
最近多く見るようになりました。


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告別室と収骨室は可動式の間仕切りで仕切られていますが、一つの空間にする事も出来ます。
会葬者数や火葬件数によっては、告別室や収骨室と区別する事なく柔軟に運用出来そうですね。
炉の間隔が、間に収骨室があるので広くなり作業効率が悪くなるというデメリットはあるとは思いますが、
告別室、炉前ホール、収骨室と独立させた一般的な火葬場より面積が抑えられ、運用面の柔軟性もありますので、なかなか良い配置だと思います。




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先にも触れましたが、見学会の前に供用開始式がありました。
式の様子を見たかったのですが知ったのが直前で、事前にお願いする事は出来ませんでしたが、
当日事情を話してお願いすると、市職員の指示と付き添いで拝見させて頂く事が出来ました。

市担当者による概要説明、市長はじめ来賓の挨拶が続きます。
まだ工事途中であり竣工ではないという事もあると思いますが、立派な式次第や看板の無い質素な式典でした。
何でもお金をかければ良いというものではないと思います。





旧・前橋市斎場火葬棟

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こちらは旧施設です。 明治27年からこの地に火葬場がありました。
その後、幾度か改築が行われ、この施設は昭和46年に完成し翌47年から使用されてきました。
この所在地は、元々は勢多郡木瀬村で、昭和30年に前橋市に編入されました。

同一敷地内での建て替えで順次取り壊されましたので、この時は火葬棟が残るだけの姿です。
鉄筋コンクリート造ですが、木造をイメージしたもののようです。
元々の姿は、右側に式場棟、左側に待合棟が続いていました。
一体で建てられた総合斎場は今では当たり前のようにありますが、建設当時はまだ珍しかったのではないかと思います。
左右に長く続く建物は、優美な姿だったのではないかと思います。

改築工事が始まる前に見に来とけばよかった・・・


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火葬棟の入口は左面にあります。
入口の全景は、、、撮るの忘れました(苦笑)

この日は友引日で火葬場は休日ですので、前日の20日に供用廃止となりました。
備品搬出など廃止後の作業の前に見せて頂きました。


  前橋市斎場

入口には告別ホールがあります。
火葬炉は左右に5基、計10基のロストル式火葬炉がありました。
5基の火葬場が左右2つあるイメージです。


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火葬炉のある火葬ホールです。
昔の火葬場ですので、現在のように独立した収骨室はありません。
1枚目の写真を撮った辺りで収骨を行っていたようです。
全体的に暗く古びた印象でした。
天井のクロスの汚れも目立ちます。 照明の変更とクロスの張替えだけで、随分印象が変わった筈です。
とはいえ、改築の決まっているものに高額の税金を投入し難いという事情はあったと思います。


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炉室です。 正面の壁の向うは告別ホールになります。
東京博善製のロストル式重油炉が左右にあります。
旧千葉市営火葬場にあったものと同じもので、元々は昭和30年代に民営火葬場用に設計されたものと思われます。
1基の炉で1日4〜5件以上の火葬を行う能力があります。
当時としても最新の炉ではないと思いますが、高性能で高信頼性なもののようです。
新斎場になって炉は増えましたが、非常時の火葬能力は、旧斎場の方が高いのではないかと思います。
難点は、運転音が非常に大きい事です。


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反対方向から。
真ん中の小さな炉は汚物炉で、ここ20年ばかり使ってないそうです。
上部にある煙道は一つに纏められ壁の向うにある煙突に導かれます。
煙突は50mもの高さがあるそうで、、、保守点検で登るには怖そうですね。
煙突の右側には事務室と休憩室が、左側にはバーナー用のコンプレッサーが3台ありました。
更に奥、工事前は壁を隔てて式場があったようです。

新旧斎場、詳しく見せて頂く事が出来ました。
前橋市役所の方々には大変感謝致します。
要望というのは断る事も出来ます。
しかし、面倒でも出来るだけ希望に沿うようにする姿勢が全体的にあるように感じました。
偶々担当部署がそうだったと言うことではないと思います。
県庁所在地クラスの大きな自治体では、面倒な事を嫌う傾向が強い印象を持っていましたが、どうやら前橋市は当てはまらないようです。



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